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犬猫の血管腫瘍

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血管腫 Hemangioma

臨床情報
血管腫は、血管内皮細胞に由来する良性の腫瘍です。犬ではよく見られますが、他の動物では稀です。一般的に良く被包されています。
細胞診
細胞診ではほとんどの場合、血小板を含む新鮮血のみが採取されます。
病理組織
真皮または皮下組織に形成され、血液で満たされた様々な大きさの血管腔によって構成されます。個々の管腔は単層の扁平な血管内皮細胞由来腫瘍細胞によって内張りされています。ヘモジデリン沈着を伴う血栓形成を起こすこともしばしばあります。血管腔の大きさによって、海綿状タイプ(Carvenous)または毛細血管タイプ(Capillary)に分かれます。毛細血管タイプでは、核の大型化や多形性が見られることもありますが、概して異型性は低く、核分裂像も目立ちません。
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予後・治療法
完全切除により治癒します。

血管肉腫 Hemangiosarcoma

臨床情報
血管内皮細胞由来の悪性の腫瘍です。犬では脾臓や右心耳原発がよく知られていますが、皮膚を含めた身体のどの部位にも発生します。
細胞診
OLYMPUS DIGITAL CAMERA著しい異型性(核の大小不同、大型核など)を伴う類円形ないし不定形細胞が観察されます。血流が豊富な部位より採取された場合は血管腫と同様、新鮮血のみがみられます。
(鑑別診断:組織球性肉腫を含む他の肉腫)

病理組織
血管内皮由来腫瘍細胞が、血液を容れる血管腔を形成しながら増殖しますが、管腔の大きさや形は不整で、不規則な網目状やスリット状の裂隙となります。重層化して充実性に増殖することもあります。個々の腫瘍細胞は、紡錘形~多角形、類円形など多形性に富み、核の大型化や核クロマチンの増加、多形性も見られます。核分裂像も頻繁に観察されます。
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予後・治療法
皮膚の血管肉腫は、病変が原発であるか転移の一病変であるかが予後の推察に重要になります。皮膚原発のものは内臓原発のものより侵襲性が弱い傾向にあり、転移率も低く、切除によって長期生存期間が得られることもあります。内臓など他の臓器からの転移(または同時多発病変の1つ)である場合には、予後は厳しくなります。

無断での転用/転載は禁止します。

参考文献
World Health Organization International Histological Classification of Tumors of Domestic Animals, Washington, DC, Armed Forces Institute of Pathology, 1998
Tumor in domestic animals, 4th ed, Ames, Iowa, Iowa State Press, 2002.
Tumor in domestic animals, 5th ed, John Wiley & Sons, inc, 2017.
・Withrow & MacEwen's Small Animal Clinical Oncology, Withrow J.S, et al: Elsevier; fifrth ed, Saunders-Elsevier, 2013
・Gross TL, et al: Skin diseases of the dog and cat. Clinical and histopathologic diagnosis, 2nd ed, Blackwell, 2005.
・Cowell RL, Valenciano AC. Cowell and Tyler’s Diagnostic Cytology and Hematology of the Dog and Cat. 4th ed. St. Louis. Mosby. 2013.
・Raskin RE, Meyer DJ. Atlas of Canine and Feline Cytology, 2nd ed. W.B. Saunders. Philadelphia. 2009.

* 本腫瘍マニュアルは、主に上記の文献を参考にしていますが、IDEXXの病理診断医が日々の診断を行う際に用いるグレード評価などは他の文献等を参考にしています。